「一行怪談漢字ドリル」オリジナル例文コンテスト優秀作品発表!

続々重版記念!夏休み特別企画

「『一行怪談漢字ドリル』オリジナル例文コンテスト」の優秀作品発表!

 

2018年8月6日から8月31日にかけて開催しました「『一行怪談漢字ドリル』オリジナル例文コンテスト」にご応募いただいた作品の中から、『一行怪談漢字ドリル 小学1・2年生』の著者・吉田悠軌先生が選んだ優秀作品を発表致します。(敬称略)

 

■最優秀賞

 

鏡の中に輪切りにされたぼくの体の残りがあった。(四年生)

(朝里 樹)

 

【吉田悠軌先生講評】

「一行怪談漢字ドリル」という小学生向け学習教材のコンテストにしては少し残酷かなと思いましたが、過度にスプラッターではなく幻想的で、ギリギリOKなラインを突いてくる上手さがあるとも言えるでしょう。

ダミアン・ハーストの美術作品を思わせるシチュエーションながら、「残り」という一言がとたんにこれを怪談世界に落とし込んでいます。「残り」があるのが「鏡」の中というのも絶妙です。現実をほぼそのまま映す、現実から薄皮一枚隔たった異世界。おそらくぼくの体から切り離された、鏡の中の「輪」部分は、いまだ異次元を通して繋がっているのではないか。どこの部位はわかりませんが、鏡の中の「輪」内部では、いまだ内蔵がどくどく動き、血液もこちら側のぼくと循環しているのではないか。どうやらぼくは生きているようだし、この文章から過度にスプラッターな流血が感じられないのも、そのためでしょう。怪談とは、こうした薄皮一枚隔てた異世界との接触を描くものなのです。

また、これはおそらく私しか注目しないポイントですが、「鏡」「輪」「残」という小学四年生の漢字が全てカッチリ、この怪談の怖さのキモを成している構成も評価したい。同じ学年の漢字を複数使っても、たいていキモは一つの漢字で、残りは添え物になるものです。三つもの漢字がそれぞれ恐怖描写に重要な役割を果たしているのは、かなり難しいことですよ。今回は普通の「怪談」コンテストではなく、もっと言えば「一行怪談」コンテストでもなく、「一行怪談漢字ドリル」のコンテストなので、その特性に最も沿った本作を最優秀といたしました。

 

 

■優秀賞

 

よるにみしみしときこえて上をむくと男がいた。(一年生)

(@yukiNoy)

 

【吉田悠軌先生講評】

本人の作為ではないかもしれませんが、「よるにみしみしときこえて」という省略表現がよかったです。「という音が」などの文言が入らないおかげで、夜の暗さの中、少し遠くから「みしみし」が近づいている様子、不気味さが描かれています。これまた意識してかどうかは不明ながら、上段部分が全てひらがななのも、「みしみし」という文字面そのものの怖さを引き立てていますね。そこからの「上を向くと男がいた」という唐突なカット・イン。これも「天井裏に」「空中に」といった具体的な説明がないことが(この一行怪談の場合は)功を奏しているでしょう。

 

ご応募いただいた皆さま、ありがとうございました!


「一行怪談漢字ドリル 小学1・2年生」の商品詳細は
こちらからご確認いただけます。

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